そのあと、お互い学校の話なんかをしながら過ごし、
私のおりる駅に着いた。
「じゃあ、私ここだから」
「あ、そーなんだ。
じゃあ、また明日ね」
日笠くんはニコッと笑って、ドアが閉まるまで手を振っていた。
……日笠くんには、仲良くしてと言われたけど、
清水くんが関わってるなら、それも出来るかわからない。
嫌いだと言われたことを思い出すと、
急に気持ちが重くなる。
……あぁ…
明日から電車の時間変えようかな…。
はぁ…と溜め息をついて、改札を出ると
グイッと誰かに腕を引っ張られた。
「……え…っ!?」
そのまま駅の柱の影に連れていかれて、壁に追いやられる。
「……黙れ」
すぐ傍で聞こえた声は
今、私の気持ちを重くした、張本人だった。
「…清水く」
「黙れっつの」
私の腕を掴む清水くんの手に力が入る。
「……い…っ」
腕が圧迫されて、痛みに声が出てしまうと
「……あ…。
…………チッ」
清水くんは一瞬、焦ったような顔をしてから
めんどくさそうに舌打ちした。