屋台の通りを抜けたところは、人が少なくて。
邪魔にならないだろうと思って、そこで立っていた。
何度も何度も、清水くんと美紀ちゃんが抱き合っているシーンが頭によぎって、泣きそうになる。
それをこらえるように、空を見上げ、涙がこぼれ落ちないように必死に我慢していた。
そんな時。
「岩堀!」
突然腕を掴まれて、反射的に顔を向けてしまう。
(やばい…!)
涙がこぼれ落ちちゃう!と思った時には、もう遅い。
こぼれ落ちた瞬間、ばっちりその人と視線が合っていた。
……見られた。
……清水くんに。
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