自分の彼氏のこういう一面を、普通の人だったら、可愛い、愛おしいって思うのだろうか。

でも私には、寒気すら覚えるくらいに気持ち悪い。


「はい、ミルクティー」


和樹は嬉しそうにぬるくなったミルクティーをほっぺにあててきた。

きっと着いてからずっと外で待っていてくれたんだろう。

嬉しい気持ちなんかよりも罪悪感。

私は彼が思うほど彼を愛していないし、彼が思っているような女の子でもない。

―—・・・罪悪感?


嘘、罪悪感なんかない。なにかと理由をつけて言い訳して、私は悪くないって言い聞かせているだけ。

私が好きなのは不本意ながらもきっと自分だけなんだ。


「ありがとう、寒かったでしょ?早く車はいろう?」


優しく笑うと和樹は嬉しそうに車に乗り込んだ。

馬鹿みたいだと、見下してしまう。

こんな私が一番馬鹿だ。