その日の夜、宣言通り和樹はバイト先まで車で迎えにきた。


「お疲れさまです」


まだ締め作業をしている夕紀さんに目をやると、夕紀さんは私に気づいて笑って手を振った。

その笑顔にまた胸を締め付けられる。

ペコリと軽く頭を下げて裏口からゆっくりと外に出た。


外の刺さるような冷たさがなぜだか心地いい。

冬はなんだか孤独になりたくなる。

彼氏なんて括りのものがいなくても、寂しい日にはてきとうに男にすがればいい。

相手の話に楽しそうに笑ってみせて、お酒弱いフリして酔っちゃったってもたれかかって。

そうしたら一晩相手してくれる男なんて山ほどいる。


少し歩くと、コンビニの前に見慣れた車が止まっていた。

「おつかれ」

車にもたれかかっていた和樹は私を見つけると満面の笑みを浮かべた。