「はあ」
「どしたー?」
二度目の溜息をついたところで夕紀さんが隣に来た。
右手にはパック型のミルクティー。
左手には煙草。
すごいギャップだ。
「いや、ランチ疲れちゃって、へへ」
人の話を聞くのはいいけど、自分の話なんかしたくない。
さりげなく交わして笑ってみせる。
そんな私の顔を夕紀さんは静かに見つめた。
「そかそか、まあ話したくないこともあるよな」
ミルクティーを飲んでいつもの笑顔を浮かべる夕紀さん。
見透かされてる。
そう思った瞬間、胸がドクンと、全身に響き渡るように鳴った。
息がしづらくなった。
見透かされるのは、苦手だ。