「お前、『女』にもなれるんだろう?」

ロキは、今まで見たことがない、妖艶な笑みを浮かべて、そう言った。

オレはというと、

「お前、初めから知ってたのか!?」

戸惑いを隠せない様子で、そう言った。

すると、ロキは、

「当たり前だろう?お前、最初から、『女』の『匂い』がプンプンしてたからな。」

そう言うと、ニヤリッと笑う。

「で、『女』になってくれるんだろう?」

ロキは、有無を言わさずにそう言う。

「冗談じゃない!!イヤだよ!!」

オレは、断固拒否して言った。

「ふうん。『ヴァンパイア』一族には、『両性具有体』の『者』がいるって、聞いたことあるが、お目にかかれるなんて、俺も『運』がいいな。」

ロキは、ひとりごちに頷いている。

冗談じゃない!!

『女』になるなんて、イヤだ!!

「言っておくけど、オレは、『女』にはならないからな!!」

オレがそう言うと、ロキの『瞳』が冷たく光った。

「何だ?無理矢理、『女』にしてほしいのか?」

ロキは、オレをベッドに押し倒すと、キツい口調で言った。

「じゃあ、無理矢理、オレを『女』にさせればいいじゃないか!!」

オレは、キッとロキを睨むと、そう言い放った。

すると、ロキは、

「ふうん。後悔しないんだな?今のうちに、大人しく『女』になっといたほうがいいんじゃないのか?」

ロキは、『念』を押して、オレにそう言う。

オレは黙っていた。

「なるほど。大人しく『女』にはならない。そういうワケか‥‥‥‥。」

ロキはそう言うと、初めて、その『顔』から、笑みが消えた。

オレはというと、ロキのその『冷たい表情』に、心底、ゾクリッと背筋が凍るのを感じていた。