た、高っ!


「ここの15階だから。」


玲君ちってお金持ち?


「れ、玲君ちってお金持ちなの?」


私は玲君に聞く。


「ああ。海外で大きい仕事してるからここで俺を一人暮しさせてる。」


「ひ、一人暮し!?」


こんな高級マンションで!?


ぜ、贅沢な…



「ほら、行くぞ。」


「え、ちょっ…」


てことは二人きり!?


いやだぁーーっ!!










エレベーター…長いよ。


密室にずっと苦手な男子と二人きり。


最悪な状況……。



すると


「なんでそんな離れるわけ?」



玲君は私に聞く。



………う………


私はびくびくしながらエレベーターの壁にひっついてた。


「そ、そうかな…」


「そんなに俺が嫌…?」


玲君は私を真っ直ぐ見つめ聞く。


―――ドキッ。


この甘いマスクに騙される女の子はどれだけいるんだろ。


玲君は外見はかっこいい。


でも中身は……。



すると



――ビクッ



玲君は私に近付く。


「こ、来ないで…」


「拒否しても無駄。誰も来ないし。」


玲君はそう言いながら私に近付く。


そしてかなり近くなると玲君は挑発するような目で私を見つめる。


――ドキンドキン…


し、心臓が…。


玲君は私の頬に手を添える。


や、やばい。


だけど


玲君は私の手を強い力で押さえる。


抵抗できない。


れ、玲君…。



すると


………あ………


エレベーターの扉が開く。


そのとたん玲君は離れる。


あー…心臓やばかった。



入って来たのは20代前半くらいの女の人。


よかった。

二人きりは怖いから。


だけど


「あ、玲!」


「真央さん!」


どうやら女の人は玲君の知り合いだったらしい。


綺麗な人……。