「……何これ?」
玲は夕飯の出来を見て言う。
「ご、ごめん…。」
「こんなんで俺が体壊したらどうするんだよ。夕飯いらねぇ。」
……うっ……
確かに失敗したけど……
一生懸命作ったのに…
ひどいよ…。
私は涙目になる。
すると
「泣くと思った。」
玲はにやっと笑って言う。
……へ……
「れ、玲?」
「泣き虫だからな、雪乃は。いじめただけ。仕方ない、食べてやるわ。」
玲はそう言うと食べ始める。
「れ、玲ーっ。」
なーんだ。
いつもの意地悪か。
だけど
「うっ………まずっ…」
玲は食べると言う。
多分、これは本心……。
「けなすなら食べないでー。」
「嘘だよ!腹減ってるからこんなのでも美味く感じるよ。」
「ひどいよぉ……」
意地悪で嫌な男だけど
なんだかんだで玲が大好きなんだ。
大嫌いが突然…
大好きになってた……。
「雪乃、気持ち悪いから風呂入ってくる。」
「いってらー。」
私がお風呂から上がると、玲はお風呂に行く。
その間、私はリビングでテレビを見る。
なんだか新婚みたいだ。
付き合っていきなりお泊りだなんてドキドキだよ。
あ、そういえば…
今日、どこで寝るんだろう……。
玲と同じ部屋なんて絶対拒否!!
でも……。
―――数十分後…。
「雪乃、来やがれ。」
上がるなり玲はリビングに来て私に言う。
「……へ?」
「一緒に寝る。」
「やだよぉ…」
心臓が。
「仕方ないな。」
………?
玲はそう言うと……
……………!?
いきなり私をお姫様抱っこしてきた。
はい!?
「強制連行。」
玲はにやっと笑って言った。