〈ガチャ〉
玲と玲の部屋に入る。
……うわっ……
二人きりなんだよね。
部屋は綺麗に整理されている。
「れ、玲って綺麗好きなんだね。」
私は玲に言う。
「……まぁな。よく女呼んでたしよ。」
……そうだよね。
玲は元々女好きだったっていうか……
経験豊富だろうな…。
「…妬いた?」
玲は私に聞く。
「へ?」
「俺が他の女との話したから。」
玲はにやにや笑って言う。
「べ、別に……違うもんっ。」
私は玲に背中を向ける。
すると
―――ドキッ…
いきなり玲に後ろから抱きしめられた。
「部屋に二人きりってどういうつもりかわかってる…?」
玲は私の耳元で囁く。
―――ドキン…
む、無理っ…
「無理だよぉ…」
付き合ったばっかだよ?
「戸惑ってるお前見たらいじめたくなる。」
…………!?
ほ、本当に身の危険っ…
「やだよぉ…」
「俺が好きじゃないわけ?」
「ち、違うけど…」
無理です。
私
まだ気持ちが……
「いいだろ?」
玲は私の髪に触れ言う。
うっ……
「だめだもん…。」
無理無理。
私が言うと玲は私の体を離す。
私は玲の方を向き玲を見つめる。
「お、お願いだから我慢して?私、いきなりは無理だし…」
私は玲に言う。
嫌われちゃうかな…。
玲、我慢嫌いだし。
だけど
「たまには折れてやるよ。」
……え……
「いいの…?」
「雪乃に嫌いになられたら困るしよ。」
「……え……」
「ずっと欲しかったもん手に入れたんだ。手放させるわけにはいかねぇ。」
「玲……」
玲もたまには我慢できるんだね……。