『泣き虫弱虫なの?お前って…』

彼は私に聞く。

『それが短所なんで…』


私は彼に言う。


あー…確かに捻挫くらいで泣くとか私弱すぎかも…


『へぇ。じゃあ俺ら気合うかもね!』


『へ?』


気合う?


『俺、こういうやついじめたくなるから♪』


………!?



な、な、なっ……


『気に入った。お前、クラスと名前教えろ。』


……え……


『一年A組の藤村雪乃です…』


私は彼に言う。


『お、偶然!俺もクラス同じ!』


………え………


『よろしくな。雪乃!』


い、いきなり呼び捨て!?


『はぁ…よろしく…』


私も彼に言う。


『じゃ、先生!俺はクラス戻るから。雪乃、これからは俺お前をターゲットにするから。』


『ターゲット…?』


私は首を傾げる。


『じゃ!』


彼はそう言って保健室を出た。


それからというもの私は玲君に追いかけ回されている。


いじめられてます。







そして現在に至る…





「れ、玲君離して!」


「嫌と言われたら無理矢理連れてきたくなる。」


「やだよー。」


玲君から私は逃げられない。


なんで玲君と帰る事に!?


1番苦手な男子と…。



「寂しいんだろ?香奈いないと!弱虫泣き虫女だからな!お前は。だからわざわざ俺が一緒に帰ってやるんだよ!」


「いいよ!一人で!」


「否定されると俺は強引になるから!」


そ、そんなぁ…




………ってか


「ね、玲君…私の家こっちじゃないよ!?」


なぜ?



「俺の家連れてく。」


「え!?」


「絶対に逃げられないからな!!」


「なっ……」


に、逃げたい!!


でも玲君の力が強いからなかなか抵抗が…。


「ねぇ、玲君!」



だけど


着いてしまった。


かなり高い綺麗なマンションの前で玲君は立ち止まったんだ。