「大丈夫?」
「うるさい!」
「ごめん…」

別に浜田が
悪いわけじゃねえのに…

なんで
強く言ってしまうんだ?

なんで
今日泣いたりなんかしたんだ?

考えて
あの笑顔を
思い出した…

いま俺の前に居る
浜田は笑ってない…
下向いて…
やっぱり
あのときの
浜田に見えてしかたない

野球部を
去るってわかってたのに
止められなかった…
俺は無力だ…

浜田が
大事な野球を
手放すとき
何も声かけれなかった…
どんなに辛かったんだろう

いまどういう気持ちで
俺らのこと
応援してるのだろうか?


‐中学時代‐

「浜田先輩!」
「泉どうした?」
「あの…」
「ん?」
「高校で一緒に甲子園行きましょうね!」
「何年後の話だよ‐」

笑って
「おう!行こうな」
って言ってくれた…

その
次の週…

浜田先輩は
野球部を辞めた…

‐いま‐

浜田はその約束を
覚えてくれてたんだ
昨日謝られたけど
別に
そんなこと
ほんとはどうでもいい

「泉?」
「ん?」
「大丈夫?」
「何回聞くんだよ!」
「ごめ…」

「何回謝るんだよ…」
「ごめん」

はあ
何回謝るんだよって
言ったばっかだろ!

「はあ~帰る」
「えっ?」
「じゃあな」