「なんで黙ってんの?」
「あっ?いや…なんでもない!」
「はあ?ならいいよ…帰る!」
「えっ?…なんで?」
「浜田が……別に」
やばい…
玄関に向かう泉

バッ!
やばい
とめるだけでいいのに
抱きついてしまった

「なんだよ…いきなり!」
「ねえ‐」
「何っ?」
「あっ!いや…」
「はっきりしろよ!」
「…ごめん,」

謝ることしか
できない

「言いたいことあんならはっきり言え!」
「…ごめんな…一緒に高校で野球するって約束破って…」

ごめんな
俺は…泉と一緒に
野球したい
でもやっぱり
肘の故障が治っても
泉と野球やる自信がない…

「別に…」
「…でも…俺…」
「?」
「なんでもない…」
「はっきり言え!」
「泉が好き‐…」
「…」

あれ?
何俺言ってる?
泉の顔が
……怖い

あわわわわわ…
どうしよ
冗談ってことに
しちゃう?
でも
本心だし…

「…はあ?」
「だから‐」
「繰り返す必要なし!」
「俺帰る!また明日な!」

えっ…
そりゃそうだよな‐

「花井‐」
「どうした?こんな時間に‐」
「わりィ‐花井って
田島と付き合ってるんだよな」
「あ…うん」
「そのさ…どうしたらうまくいくの…その…」
「泉となんかあった?」
「あ…いや…うん」
「なに?」
「・・・告った・・・いきおいで・・・」
「いきおいか」
「本心なんだけどさ、なんか・・・な」
「それで?告っただけなら
そんな深刻そうな声してねーだろ」
「泉何も言わずに帰っちゃって…」
「戸惑ってるんだろ」
「怒ったかもしれない」
「大丈夫だろ!!」
「でも・・・」
「あのな、泉だっていきなり言われたらびっくりだろ!
きっと明日になったらまた元の泉に戻るだろ」
「そっか・・・な」
「うん」
「そうだよな!じゃ明日学校でな」
「おう」

なんか
花井に言ってほっとした
いい兄貴だよな!!
あれ?おれのほうが年上だ!
でも
あいつは兄貴肌だからいいや