ー紫耀sideー

「なぁ?紫耀って本気なんか?」


「嘘やろ?」



大吾と廉と中華料理屋の個室で夜飯。



もぐもぐ…



「アイツが俺の事好きなんやって」


「さっきのツンデレ電話のどこがや?」



カチャカチャ…



「ほな、ライバルやな?」



…は?



「俺、火がついたわー!あんな人初めてや」



…本気で言うてんの?



いつやってそう。



俺の遊び相手を横から取る廉。



俺の真似をして女遊び。



「…アイツはアカン」


「…アホくさ。本気で守りたいとかクサイ台詞でも言うんか?」



そう笑う廉。



「女に本気になるほどアホなことないで?笑」


「ほんまー!紫耀らしくないってー」



カチャカチャと食器の音が響いた。



…本気なわけちゃう。



ただ、アイツが頭から離れんだけで…。



「好きなわけ…ちゃうわ」



(「紫耀に飽きたんやて」)



「…ほんまさ、何で好きな奴かぶるん?笑」


「俺から先に好きになったんやで?」



アイツの時もそう。



俺と廉が、女を信じれんなった原因。



(「最後のアイツの顔、まじウケるわー、笑」)



ズタズタにして、初めて捨てた女。



「…キモいねん…」