「おい、 大丈夫か?」
駆け寄ってきた土方さん。
バチッ!
土方さんが差し出した手が見えない壁に跳ね返された。
「チッ。あいつ呪符だけじゃなくて護符まで重ね掛けしやがったか」
「護符まで……ですか?」
護符とは何かわからないけど、とりあえず厄介なのはわかった。
「厄介だな。多分、術者以外に解けねぇだろう。
困ったな、何も出来ねぇぞ?」
私はそっと、結界に触れる。
その瞬間、何かが逆流してきて反射的に手を離した。
気持ち悪っ。
手を見るとうっすらと赤みを帯びた気もしなくもない。
「土方さん。私のことはいいので、総司のことを」
「あいつのことは心配しなくてもいいさ。
第一、ああなったら俺らでもとめられはしねぇからな」
土方さんたちでもとめられない?
そんなに今の総司はやばい状況なのか。