「こ、こっちだって、お前みたいなチビで気の強いヤツが彼女なんて、お断りだっての!」
林はどもりながら必死に言い返してくる。
「心配しなくても私がアンタの彼女になるなんて、ありえないから!」
「それはこっちのセリフだっ!」
私はもっと優しくて、笑顔がかわいくて、スポーツマンな人が理想だもん。
林なんて、顔はちょっといいけど性悪だし、笑顔は憎たらしいし、スポーツは……してるとこ見たことないけど……でも、とにかく、こんな性悪は絶対にありえない!
「林! 宮咲! 何度注意したらわかるんだ! 連絡事項を聞け!」
とうとう担任の怒りが爆発した。
「はぁ……ったく、お前らは1日に何度ケンカすれば気が済むんだ。何回注意してもキリがない」
担任は大きくため息をついた。
「罰として、お前らふたりは今日居残り掃除な!」
「えー!?」
「マジかよ……」
ほんと最悪。
林のせいだ……全部全部!