――キーンコーン。
「はぁ、はぁ……疲れた~っ」
「ギリギリセーフ……だぁ……」
本鈴のチャイムが鳴ると同時に、なんとか教室に入ることができた。
が、息切れと疲れがハンパじゃない。
これも全部、林のせいだ!
ほんと、林とからむとロクなことないよ……。
「林、宮咲……お前ら、もっと余裕を持って家を出なきゃダメだぞ」
担任がため息まじりにそう言った。
「ったく、コイツとからむとロクなことねぇわ……」
林が私を指さして言った。
「はぁ!? 先にからんできたのは林の方でしょ!?」
私は被害者なんですけど!?
「お前がからんでほしそうだったから、からんでやったの」
「ふんっ、アンタなんかにからんでほしいワケないでしょ。バッカじゃないの?」
「ほんとは、からんでもらえてうれしかったんだろ?」
「それは絶対にないから安心して。そして、速やかに私の視界から消えて」
私と林は周りを気にせず言いあいを続ける。