「逃げたら承知しないからな! 以上!」



あきれと怒りが混じった表情でそう言うと、担任は教室を出ていった。



「あはは、ちょーウケる!」



ガックリする私と林を見て、楽しそうに笑う園田くん。



「園田くん、笑わないでよ……」



私はマジメに落ちこんでるのに!!



「また掃除しながらケンカするんじゃねぇの?」



園田くんがニヤニヤして言う。



「う……」



否定できない自分を殴りたい。



けど、自分でも不思議だ。
林とは、必ずと言っていいほど、顔を合わせるたびにケンカしている。
林がムカつくことをしてくるのが悪いんだけど!



「ほんっとお前ら、毎日毎日ケンカして、よく飽きないよなー」



「飽きないとかそんなんじゃなくて、林がいっつも私に突っかかってくるの!」



「はぁ? かまってほしそうな顔してるのはお前だろ?」



「そんな顔してないっ! 自意識過剰!」



「ほらほら、まーた始まったよ……」



園田くんの言葉にハッとなって黙りこむ。