「まあ、公生の行き先は知らないけど、おそらく、優衣ちゃんの方がよく知ってるんじゃないかな?」




「そ、そうでしょうか……」




結局、手掛かりなし。これは困った。




でも、公生くんが行きそうなところって言っても、『レインリリー』くらいしか知らないし、もし、『レインリリー』にいたら、きっと加持くんからLINEが来るはずだ。




どうしよう……。




すると、ふと晴さんが立ち上がり、私の隣に座った。




「え? えっと……」




どういう状況?




私が戸惑っていると、晴さんは私に顔を近づけながら、「今日、この後予定あるの?」と聞いた。




「いえ、ないですけど……」




私の返事を聞くなり、晴さんは、より一層満面の笑みで、うんうんと頷いた。