「ちょっとトイレ」




公生くんがトイレに立ったところで、明日菜が口を開いた。




「ねえ、あんた。いつ聞くわけ?」




「え? 何を?」




「連絡先」




ああ、そうだった。




本来の目的は、そこだった。




でも、公生くんとは、いっぱいしゃべれるようになったし、呼び捨てで呼んでくれるし……。




「……これ以上、何か望んで、私、罰当たらないかな?」




「はあ?」




明日菜は、ため息をつき、コーヒーを一口飲んで、言った。




「いい? 恋愛っていうのは、再生可能資源で、限りがないのよ? つまり、これ以上ダメなんてないの」




そういうものなんだろうか……。