「まあ、俺は絶対に別れる気はないからな」




これは困った。




まさかの答えに私はどうしていいのかわからなくなった。




加持くんと別れなきゃ、公生くんとは付き合えない。




法律で決まっているわけではないけど、公生くんの立場がない。




ここで引いちゃダメだ。




明日菜が私にしたように、加持くんと二度と友達に戻れなくても、私は公生くんと付き合う。




「まあ、そういうことやから、ほな、行くわ」




そう言って、出口へ向かう加持くんの前に私は両手を広げて立ちふさがった。