「でもな、恋っちゅうんは、許すことやと思う。やけん、俺は、優衣が公生のこと好きでも、許すで?」
加持くん……。
加持くんって、ほんと大人だ。
「ありがとう……今までこんな私と付き合ってくれて、ほんと……」
私はそう言って、頭を下げた。
ごめんなさいとありがとうを込めて。深く。
ところが、加持くんは私の言葉に「はあ? 何言うてんの?」と垢ぬけた声を発した。
「え? だから、今まで……」
「『許す』とは言うたけど、誰も『別れる』とは言ってないで?」
耳を疑った。
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