そして、待ちに待った放課後を迎えた。




私と明日菜は、昨日と同じように昇降口に先回り。でも、昨日と違うのは、こそこそとしなくていい。堂々と待っていていいということ。




「同じクラスなら別に待ち合わせなんかしなくてよかったんじゃない? そういうところがあざといのよ」




と、明日菜は言っていたけど、こういうのもなんか恋人同士みたいで、いい。




「お待たせ」




3分ほどしていつものスタイルの公生くんがやってきて、




「んじゃ、行こうか」




そう言って、つかつかと歩き出した。




「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」




「なんだ? えっと……来栖さん」




「どこに行くかくらい言いなさいよ」




すると、私たちを一瞥し、フッと笑って、




「レインリリー」




と言った。