お風呂に公生くんが入っている。




その音を聞きながら、こうしてじゃがいもを切ったり、にんじんを切ったり、玉ねぎを切ったり。




愛こそはないものの、本当に新婚みたいで、ちょっと嬉しい。




でも、もしかしたら、この状況は、チャンスかもしれないとふと思った。




もし、今日、誰にも邪魔されないこの状況で、公生くんに想いを伝えてしまえば。




いや、ダメだ! ダメダメ。




もし、断られたら気まずいって!




でも、気まずくなったら、公生くんだって、雷鳴が轟く中だろうが、槍が降る中だろうが、家に帰るんじゃないだろうか。




それはそれで、気の毒だし、もう二度と『レインリリー』には行けない。