side、新



「…ん?」

寝るときにはあった、暖かかったぬくもりがなくなっていた。


「あ、春ちゃん居たんだ。」

「新っ…。新渡戸さんは帰ったわよ。」

「あぁ。かえって遅くだと危ないから安心したよ。」


ちょっと…、優美が居なくて寂しいけど。


「新、あの子が…好きなの?」

「春ちゃん…。どーした?」

「私………。
ううん。なんでもない。もう、帰りなっ♪」

「お…おぅ。じゃーな。」


ガラガラガラ。




……。

俺は今 外を歩いてる。


ついさっきまで優美と繋いでいた手わ、何かを求めるように冷たくなっている。


梅雨なのにな。


「今週で…、梅雨も終わりか。」