「『私たち練習する』って…?」
練習するのはあたしで、
そもそもなんで進藤さんがここに?
「『私たち』」
進藤さんは、自分を指差し、
次にあたしを指差した。
「でも、進藤さん、バレー上手だから…
練習しなくてもいいよね…?」
あんなすごい、アタックとレシーブを見せられて一緒に練習する意味ないよね?
バレー部にまで勧誘されてるし…
あたしがヘタクソなんだから…
「新谷さんよりは、上手いのは事実だね。
いや、新谷さんから見たら全員うまいよね?
…でも、テストを受けるのは私と新谷さんだから」
無表情で、あたしの足もとに転がっていたボールを拾った。