「ごめんね…

大丈夫?」


あたしの前に座り込む影を感じた。


ゆっくり顔を上げると…



「進藤さん…?」



ジャージ姿で立っていた。


なんで?


帰ったんじゃ?


ボーッと顔を眺めていると…



「補習、私もイヤだから。

あと… ちょっと待ってて!」


ツカツカっと、先生のところへ行くと何やら話し出した。


「…わかった。

田中! アタック打て!」


練習が中断され、呼ばれた女の子がやって来た。


ネットの反対側に進藤さんが入る。


何?




「一本!」


掛け声がかかると、



バシーン!!



強烈なアタックが打たれた。



進藤さんより前に落ちる…


そう思ったのも束の間。



バン!!


素早い動きで、ボールの目の前に入り込み両腕に当たり、キレイな弧を描いて上がった。


「「「おぉ〜!!!」」」


バレー部の皆さんから拍手と歓声が上がる。