「えっ、なんで?!」
上を向いたまま、動けないあたしに進藤さんが近付いてきた。
「だ、大丈夫だから!
もう一回! ね?」
真っ赤になりながら、鼻をさすって進藤を見ると…
目が点になって、動かなくなってた。
「進藤さん? どーしたの?」
首をかしげると、
「もしかして、新谷さんって…
…運動できない?」
ギクっっ!!
肩が跳ねる。
なぜ、それを…
紗弥ちゃんが、コンサートに行くにはあたしと組んじゃダメ。
なぜなら、あたしが運動音痴だから…
走るのも、ダメ。
飛ぶのも、ダメ。
球技なんて、ボールがあたしのことを嫌っているとしか思えないほど悲惨なの…。