あれ?
みんな、ペアが決まっていて、残ってる子が見当たらない。
「偶数だから、誰か余ってるはずなんだけどなぁ?」
キョロキョロ、体育館を見渡すけど、1人でいる子が見当たらないなぁ…
しょうがない…
怖いけど、先生に聞くか!
先生を探してキョロキョロすると…
その隣に、凛として立つ一人の生徒…
あそこにいるのは…?
進藤さんだよね?
一人なのかなぁ?
走って近付いてみると
「やっと来たか!
じゃ、進藤とペアだ。
練習始めろよ!」
そう言うと、他の子たちの指導に行ってしまった。
「あ、進藤さん、よろしくね。
あたし…」
自己紹介しようとした言葉を遮られ、
「ペアが私でごめんね。
でも、授業だから諦めて。
さっ、練習しよっか、新谷さん」
こんな美人さんに名前を覚えてもらえてるなんて、うれしいなっ。
進藤さんは、カゴの中からボールを取り出し、空いているスペースへ移動していく。
でも…
なんで、進藤さん謝ったんだろ?
首を傾げながらも、その後ろを付いて行った。