「げ?」


「なんか、あんた呼ばれてるよ。」


「いや、遠慮しとく。」




わたしは、前に向き直り、お弁当を広げる。




「行ってやんなよ。案外可愛いじゃん。」



「外見はね、外見は。みんな外見に騙されているんだ。」


「ふーん…。あっ。」



伽耶が思わず口ごもる。



「え?」







「先輩、なにがですか?」




ギクっ。



聞き覚えのある声が真後ろで…



恐る恐る振り返ると、そこには悪魔の微笑みを浮かべた小松君がいた。