〜 遥 視点 〜









『ねぇ、お姉さ〜ん
一人?一緒に遊ばない?』










僕は、司が仕事している間暇なので
買い物しようと出かけたら、十代か二十代の男にナンパされた










「えぇ〜、ナンパ〜?
僕、おばちゃんだよ〜?」



『ははっ。お姉さんの間違いでしょう〜?』



「ホントだって〜
僕、これでも40歳なんだよ〜?」



『お姉さーん
嘘つくなら、もっとマシな嘘ついた方がいいよ〜

40には見えないって〜』










ホントなのに…ね……?
僕、そんなに若く見られるのかな〜?

もしかして、童顔ってやつ〜?










『ねっ!お姉さん一緒に遊ぼうよー』










男は、僕の肩を抱きニコリと微笑みながらそう言ってきた










「気安く僕に触れないでくれるかな〜?
ボク〜?」



『………っ……////!!』










僕は、男の腕を掴んで僕から離し
馬鹿にしたように笑って言ったが……

逆効果みたいで
男は余計僕に迫ってきた










あー、もう〜
どうしよう〜










僕が困っていたら……










「ダメですよ、この人に手を出しては…
俺の大事な人ですから」










心地いい声が聴こえ
声のする方を見ると………










「あっ……!辰也くん!」



「お久しぶりですね、遥さん」











恭也たちに劣らずイケメンなのだが……
爽やかな笑み………いや、薄気味悪い笑みを浮かべている辰也くんがいた



僕をナンパしてきた男は、辰也くんの名前を聞いた瞬間……

一ノ瀬組の辰也だと、すぐに気づいたのか逃げるように去って行った










「その歳で未だにナンパされている人は…
遥さんくらいじゃないですか……?」





「僕って、童顔だからかな〜?」





「童顔………まあ、確かに……
そんな若く見えてたら、そうなのかもしれないですね?」





「もぉ、口が上手いんだからぁ〜」









ん?
このノリって、おばちゃんぽい?

まあ、おばちゃんだからいっか〜!









「それで?
僕に何か用〜?

僕と偶然出会った………なんて言わないよね?」









辰也くんのことだ

何かまた企んでいるに違いない