「…………やはり、性格が……」
「だよね〜?
司って、何も言ってくれないからさ〜
どうせ、今の僕の姿を綺麗だと言ったのは…
蛍と似ていたからだろうね……」
私は、チラリと遥ちゃんを横目で見ると…
遥ちゃんは、すごく悲しそうな…
寂しそうな感じで前方を見ていた
「………………前に言っていた…
僕を好きになってくれる人って……
やはり、司のことなのですか…?」
前に遥ちゃんと一緒に温泉に入ったとき
そのようなことを言っていた
その相手とは、やはり…
司…なのだろうか……?
「………うん…
司のことだよ……」
「何故、そんなに司のことを…?
本気なのですか?
遥ちゃんが?」
「なんだよ、僕が?って〜」
「…………あなたは、誰にも惚れないと言っていたので…」
「ああー、言ってたね…そんなこと…」
遥ちゃんは、懐かしそうな口ぶりで話すとニコッと笑った
「だってさ……
好きになっちゃったから………
本気じゃなきゃ同居なんてしないよ〜」
好きになった……?
あの遥ちゃんが……?
今の遥ちゃんは、嘘をついているようには見えない…
なら、本気で……
「でも……
司を好きになったのは、失敗だったよ…」
「何故です…?」
「………………司は、僕を好きになってくれない…
僕は、司のタイプじゃないから……」
遥ちゃんは、今にも泣き出しそうな顔で言ったので
私は、驚き車を脇に停めた
「ん?どうしたの、アキラ?」
遥ちゃんの表情は、明らかに無理して笑っている感じだった
「泣いてもいいですよ……?」
「えっ……?」
「今は、司はいませんし…
泣いても大丈夫です」
「あはははっ。
アキラ、僕を慰めてくれるの〜?」
「………………」
「……っ……ゴメン、アキラ……
ちょっと……だけ…付き合っ…て…」
「付き合いますよ、いくらでも」
「……うぅ…っ…ゴメン、ごめんね…」
私は、遥ちゃんを安心させるために
遥ちゃんの頭を優しく撫でると
遥ちゃんは、糸が切れたように泣き始めた
その姿は、今まで一度も見たことない
か弱い女の子の姿だった……