「昴…っ!
雫ちゃん、お前を玄関先で待ってたんだぞ…っ!」


「知らねぇよ」


「昴…っ!」


「お兄ちゃん……
私、朝一緒に帰ろうって言ったのに……」


「俺は、嫌だって言ったはずだ」


「兄妹なんだから、一緒に帰ってあげろよ!
雫ちゃん、一人じゃ危ないだろ!」


「じゃあ、お前が一緒に帰ってやれ」


「あっ、待て…!昴…っ!」




夕也と昴くんは、言い争いをして…

昴くんは、夕也の言葉を無視して
雫ちゃんを置いて帰って行った



昴くんのああいうとこ、遥に似てる……

昴くんは、見た目…司くんで
中身は、遥だね……



「うぅ…っ…お兄ちゃんのバカぁ…」

「泣かないで、雫ちゃん…
一緒に帰ろう?」


「…グスッ……私、夕也くんがお兄ちゃんならよかった……
お母さんも優しくないし……

もう私、如月家の子になる…っ!」



「「えぇ……っ!?」」



雫ちゃんは、泣き出すと
私と夕也の手を掴んで、そう言い放った




し、雫ちゃんが如月家に…!?

私としては、嬉しい……


私、女の子も欲しかったから…

で、でも……



「つか………雫ちゃんのお父さん
雫ちゃんが家にいなかったら心配するよ?」



遥は、心配しなくても……

司くんは、心配すると思う



「大丈夫!
お父さんなら、分かってくれるから!」



いや……

分かってくれないと思うけど……




私は、このままここで話ても決着つかないと思い
雫ちゃんを家に連れて行くことにした



本当に大丈夫かな……?