〜 蛍 視点 〜



私は、小学生になった夕也をいつものように下校する時間に合わせて迎えに行っている

だけど、この日…
私は、とても驚くようなことが起きる……





「夕也、遅いなぁ……」



私は、一人学校の前で夕也が出てくるのを待っていた

だが、夕也はなかなか学校から出て来なかった


たくさんの生徒が出てくるのが目に入り
夕也も、もうそろそろだと思っていたら……



「あっ………」



たくさんの生徒の中から、一際目立つ
幼いながらも整った顔をしている

遥と司くんの息子……昴くんを見つけた



「こんにちは、昴くん」

「ああ……夕也のお母さんか…
どうも」



私は昴くんの元に近づき、声をかけると
司くんと同じ……それ以上に昴くんは、クールな感じで言ってきた




さすが、司くんの子どもだね……

見た目もだけど、クールさがスゴイ




昴くんは、私が声をかけた瞬間
笑顔を見せたが、一瞬でいつものクールな表情に戻ったのを見て私は…

昴くんは、私を遥と勘違いしたのだと分かった



昴くんが笑顔を見せるのは、遥だけだからね……




「遥が迎えに来てくれたら嬉しい…?」


「別に……

俺、そんな子どもじゃねぇし…
嬉しくねぇ…よ…」




昴くんの表情を見て、遥に迎えに来て欲しかったのだと思った

でも、遥は……
子どもを相手にしないから…

迎えに行くなんてことはしない



「それで?
俺に何の用?」


「あっ、ごめんごめん

夕也は、まだ学校にいるのかな?」




そうだった
夕也を見つけないと…!



「夕也?
夕也なら、たぶん……」



昴くんが、後ろを振り向くと………



「昴…っ!待ってよ…っ!」



パーカーのフードを被った子……夕也と
夕也が手を繋いで一緒に歩いている子……
遥と司くんの娘で、昴くんの妹の
雫ちゃんと一緒に現れた




夕也だ…っ!

それに……雫ちゃん?


なんで、一緒に?

しかも手を繋いでる!


二人とも可愛い…!