「先生にも辛い思いをさせてしまって、本当にすみませんでした・・・」


可南子は、先生も一緒に苦しんでいてくれた事を何も知らなかった。


「いいのよ。

こうやって私に会いに来てくれたんですもの・・・

この手紙も、可南子さんがこうやって貰いにきてくれることをずっと待ってたから・・・
だから、皆が絶対に気づかない所に大切にしまっていたの・・・


今日、二人を見たときに、私はすぐに松井想太さんだと分かったわ。

あんなに幼い可愛らしい文字を書いていた男の子が、こんなに立派な大人の男の人になっていて胸がジンとしました」


想太と可南子は、もう一度、箱を開け手紙を見た。
15年も経ってしまっているのにそこにある手紙達は封を開けてもらうのを待っているように見えた。


「あなた達が結婚する事で私の肩の荷も下りた気がします。

さっき、想太さんに幸せでしたかって、どうして聞いたかと言うと・・・」