可南子の涙は止むとこはなかった。
「想太さんの文字を見て、こんなに一生懸命に丁寧に宛名を書く男の子に悪い子はいないと思っていたわ。
だって、鉛筆で何度も下書きをして、その上にペンで書いていることが見てすぐに分かるほどっだたもの・・・
上の先生達は簡単に捨てて下さいと言うけれど、私にはできなかった・・・」
想太も涙堪えるのに必死だった。
確かに、何度も何度も下書きをした。
可南子から教えてもらった寮の住所を覚えてしまうほどに・・・
「可南子さんは、中学一年生の時は情緒不安定で、先生もご両親も本当に心配しました。
私は、きっと、この手紙のせいで苦しんでいるのではないかと思い、私もとても辛かった・・・
その頃、よく、可南子さんをお祈りに誘ったのを覚えてますか?
マリア様に祈る事で可南子さんの痛みが消えてくれればと思っていたの。
そして、私自身も、マリア様にずっと告白をしてました、手紙の事を・・・」