ヤバい、涙が出てきた……
こんなところで泣いたらダメ。
泣くな、私……!
下唇を噛んで、涙をこらえた。
「翔太郎、俺らちょっと用事あるから先行くな」
桐山先輩がそう言うと、私の腕を掴んで会議室から出た。
先輩……?
どこに行くんだろう……
桐山先輩の後をついて行くと、図書室に着いた。
いつもの場所に行って着くと、どかっと座った先輩の横に静かに座った。
「先輩、用事なんてありましたっけ?」
「バーカ、そんなもんねーよ」
「えっ。じゃあ、どうして…?」
「お前が泣きそうな顔をしているからだろ」
そう言うと、ペシッと私のおでこにデコピンをした。