誰かに腕を掴まれて振り返ると



「お前どうしたんだよ!?」


「あら…た……」


「ちょっとこっち来い」



私の腕を掴んだまま歩いている新。



何で私の心が苦しいとき、みんな助けてくれるの……?


新だって本当は気まずいはずなのに。


余計涙が止まらないよ……。



空き教室に入り、近くの机の上に座った新。



「どうしたんだよ。もしかして、俺のせい?」


「ううん、新のせいじゃないよ」



そう、新のせいじゃない。


ただ、自分の心が弱いだけ……。



「柚子ちゃんをこんな風に泣かせる奴許さねー。俺ならこんな風に泣かせたりしない」



止めて、これ以上優しくしないで……



「柚子ちゃん、俺じゃダメ?」