頭の中で想像してみても、それは地獄絵図にしかならなかった。


と、とにかく、絶対になりたくない!



「ふーん。それじゃあかばんは返せないなぁ」



そういって、今度は彼が何処かに向かって歩き始める。


あ、ちょ、私のかばん!


後から追いかけてかばんを取ろうとしても、彼の身長は180くらいありそうで155の私には到底届かない位置にかばんがある。

彼は取らせる気も無いのだから、尚更取れるはずもない。


てか、ここ何処。

え、私何処だか全然分からないんだけど?!



「ちょ、ちょっと待って都筑くん」



更に急いで彼の元に走り、腕を掴む。

辺りは真っ暗で、街灯の灯りがほぼ頼り。


暗い所は、本当に無理っ!


幼稚園生のとき、家族でお化け屋敷に入ってからトラウマになって暗い所とお化けはどうしても得意になれない。



「暗い所、もしかして苦手?」



「苦手じゃない!得意になれないの!」



キッと睨み付けながら彼を見ると、少し笑われた。