絶対この人、根本的に頭から可笑しいんだ。

熱とかじゃない、頭だ!


頭という単語を心の中で復唱しながらいると、前から笑い声が聞こえてくる。



「ふはっ!やばい、ほんと秋月さん面白い」



よし、帰ろう。

こんな人、もう知らない。


止めていた足を動かして、足速に家へと帰ろうとする。

ずかずかと歩く私の心中は、決して良いものではない。


あーもう、ほんとなんなの都筑くんって!

何であんな人がモテるわけ。

人に彼女になれとか言うし、普通人のかばん持っ…て……?



「…都筑くん、かばんっ」



忘れていたかばんを取りに彼のところへと向かうと、彼は帰ってくるのが分かってたように誰かの家の塀にもたれかかっていた。

そして私の方を見て、意地悪く笑う。



「かばん、返して欲しい?」



そんなの当たり前で、私は首を縦にすぐふった。

でも、彼はとことん意地悪らしい。



「じゃあ彼女になって?」



「っな!それは嫌!」



都筑くんの彼女になんて、嘘でも絶対になりたくない。

なったら女の子からの目は絶対怖くなるし、ちよちゃんになんて言えば……。