「でさー、そんな秋月さんに1つお願いがありますっ!」



満面の笑み見せながら、私の方を振り返って言う彼。



「ん?なに?」



「俺の、彼女になってください!」



そんなに身構えもせず、普通に聞き返したことに心底後悔した。


いや、だってあなたが好きなのはちよちゃんのはずでしょう?

何で私がなるの、てか、絶対私のこと都筑くんは好きじゃないでしょ?!



「ごめん、言ってる意味がまっっったく理解できない」



「あーごめん、ちょっと言葉足りなかったよね。仮の彼女!つまり嘘カノになって欲しいの」



やっぱり、彼は頭が可笑しいんだと思う。

それか、熱があるのかもしれない。


うん、きっと幻聴、幻聴。

都筑くんが、まさかこんなこと言う筈無いよ。



「都筑くん、熱ある?それとも頭どっかにぶつけた?」



彼の額に手をあてて自分の額の体温と比較して見るけれど、どっちかっていえば私の方が熱くなっている気がする。



「秋月さん、馬鹿にしてる?」



「いや、馬鹿にしてるのどう考えてもそっちだよね」



私の手を掴んでおろしながら真面目な顔して聞いてくる彼に、直ぐさま突っ込む私。