睨んでみても彼はふざけた風に、おー怖い、と言って降参した人が取るようなポーズを私にして見せる。

そんな彼の態度は、更に私の怒りを誘う。



「ほんと、何なの?!何か私に恨みあるの?!」



思わず叫んでしまうのは許してほしいけれど、幸い、図書室の中には彼と私しかいない。


だって、余りにも都筑くんが私をいじめるんだ……!!

一体私が何をしたって言うのよっ!


2週間連続、彼はここに来て本を読まずに時間を過ごす。

無駄としか言いようのない時間の使い方は、まぁ、私には関係のないことだから何も言わない。



「あのさ、今日一緒に帰らない?」



………は?

なに言ってるの貴方は。


急なことに思わず目が点になった私を、指差して笑う彼。

私はそんなのにかまう暇なんてなく、ただ唖然とする。



「うん……と、誰が誰と帰るの?」



「だーかーら、俺と秋月さんで一緒に帰るんだって!」