それが本当なら、翼はいつか死んでしまうかもしれない……
想像したら体が震えた。
「だからそんなヤツのことなんて忘れましょうよ」
肩に手を置かれた瞬間のことだった。
「圭祐」
聞き覚えのある声。
心臓をぎゅっと掴まれた感じがした。
「翼!」
振り返るとそこには翼が立っていた。
「つ、つーさんっ!?」
圭祐の顔がみるみるうちに青くなっていく。
「なんでここにいんの?」
「い、いや……」
「チームのヤツらが話してんの聞いたんだよね。お前が美羽んとこに行くって」
翼が圭祐に迫っていく。
睨んでいるわけでもないのに、圭祐はひどく怯えていた。
「み、美羽さんに話があって……」
「へぇ、なんの話?」
「うっ……す、すみませんでした!」
圭祐は翼に一礼すると、慌ててバイクに乗って去って行った。
その場に残された私は逃げることもできずにいた。
久しぶりに見る翼は少し痩せた気がする。