「別れたばっかでなんですけど、俺のこと考えててほしーんです」
「うん……でも……」
「やっぱつーさんのこと忘れられませんか?」
「そーじゃないけどっ」
「あんなワケありなヤツどこがいーんだか」
ボソッと圭祐が呟いたのを聞き逃さなかった。
「え?」
「あの人、確かに喧嘩強いしすげーけど、色々ヤバイっすよ? この前聞いた話だと組のモンと繋がってるらしくて少しでもヘマすると八つ裂きにされてるみたいで」
「や、八つ裂き……?」
背中がゾクッとした。
「つーさんを身動き取れないようにしたり監禁したりしてボッコボコにするらしーっすよ? あの背中にあった傷、多分そいつらにやられたんすよ」
「そんなっ……どうしてそんなことっ」
「詳しくは知りませんけど……でもつーさんなら数人相手でもひとりで楽勝なはずなのになんでやられっぱなんすかね? 相手よっぽどつえーのかな」