その日はどうやってシホ先輩のアパートにたどり着いたのかは覚えていない。
私は涙で顔がぐちゃぐちゃになっていたようで、シホ先輩はかなり驚いていた。
でも、シホ先輩は私を問い詰めたりしない。
ただ優しく抱きしめてくれた。
だから余計に涙が溢れた。
その後翼から何度も着信があったけど、出れなかった。
きっと芽衣子さんから色々聞いたんだろう。
どんなふうに伝えたのかな……
考えれば考えるほど後悔してしまう。
援助交際なんてしなければよかった。
私のこと怒ってるかな?軽蔑したかな?
翼の事傷つけちゃったよね……
別れ話だとわかってるから、怖くて電話に出れなかった。
シホ先輩にも協力してもらって、しばらく私と翼が会わない様にしてくれた。
そのうちに電話もこなくなって…
私の心は空っぽになってしまった。
これでいい……んだよね?
翼に嘘ついてたバツなんだ。
うん、翼にはもっとちゃんとした子が似合う。
芽衣子さんみたいな……
気持ちを切り替えたつもりでも、考えると涙が出てくる。
忘れるには時間がかかるみたいだ。