「マジか……」
芽衣子さんの顔が見れなかった。
「翼は知らねーんだろ?」
コクンと頷くと、ため息をつかれた。
「私はさ、風俗とか体で金稼ぐ奴に偏見を持ってるわけじゃない。そいつにはそいつの生き方があるからそれをどーこう言おうとも思わない。でもさ、翼と付き合ってんのに裏でそーゆーことしてるってなると、話が別なんだよね」
私はグッと唇を噛んだ。
誤解されても仕方ないことしたんだ……
芽衣子さんにそう言われてもしょうがない。
「あいつが傷つくところ、もう見たくないんだよ」
「え……?」
「あんたはさ、あいつがどんな思いで頭やってるか知らないんでしょ?」
どんな思いで……なんて知るわけがない。
だって翼はあまりこの世界のこと言わないんだもん。
私は知らないのに芽衣子さんは知っている。
それが少し悔しくて、悲しくなった。
「正直さ、あんたと翼は最初から無理だと思ってた。あんたは世間知らずのお嬢ちゃんみたいだし」