私は言葉が出てこなくて、ただ下を向いていた。
「あんたのダチが言ってたんだよ。陽菜……だっけ?」
「ひ、陽菜が!?」
「うん、今日からうちのメンバーのヤツんちに泊まるらしーんだけど、昼間きてさ。あんたのこと全部暴露してったよ」
ウソ……
学校に行ったと思ってたのに、芽衣子さん達の所に行ってたんだ。
ドクドクと心臓が鳴り響き、汗が出てくる。
「あいつあんたのダチなんだよな? 喧嘩してるわけ?」
「喧嘩っていうか……」
「翼と付き合ってんのに未だに客と寝てるとか言ってたけど。ほんとーのところはどーなの?
」
「え……」
「私は噂とか信じねぇたちだからさ。本人の口から聞いたことしか信じねぇんだよ」
芽衣子さんの目があまりにもまっすぐに私を見てるから……怖くなった。
やっぱり翼と同じような目をしている。
浅野さんに最後にしようと言いに行っただけだけど、会っていたのは本当のことだし。
「はい……陽菜の言う通りです」