芽衣子さんはうちらの方を見てゆっくりとバイクを降りた。
「ちょっと美羽ちゃんに話があってね」
目が合ってドキッとする。
私に話……?
「そーなんだよ、急に話したいって言うからさ」
「女同士で色々話したいんだよ。大丈夫、とってくったりしねぇから」
「芽衣子ならとって食いそうだな」
「はぁ!?」
芽衣子さんが翼の背中をバシッと叩く。
それだけで、胸の中のモヤモヤが広がっていく。
ツバサニサワラナイデ。
その言葉を飲みこんだ。
「でもまぁ、今回は芽衣子さんのお手柄だよな」
大輝が翼の肩に手を回した。
「だな。芽衣子にはマジで感謝。こんなに早く奴ら見つかると思わなかったし」
「だろ?うちら(華月)の手にかかれば、こんなのチョロイし」
「ったく、すぐ調子に乗るよなーっ」
翼が芽衣子さんの首をしめるそぶりを見せて、ふざけ合っている。
3人は笑っているけど、私だけは笑えなくて……
でも笑ってないと変に思われるから必死に笑顔を作った。