「美羽さ、よく着いてきたよな……」
私は大輝のバイクに乗せられて、少し離れたところまでやってきた。
「だって……翼が心配だったから。なのにこれじゃ意味ないよ」
「いや、美羽は見なくてよかったと思うよ」
「え?」
「俺らのやり方はほんとハンパねぇから。死にたくなるくらいまで相手を追い詰めて、ボコボコにして、そんで捨てるからよ」
大輝の顔はこわばっていた。
「そ、そうなんだ……翼、そんなことしちゃうの? 普段はあんなに優しいのに」
「俺だってたまに翼が怖くなんだよ。でもそれがPhoenixのやり方だから。誰もあそこまでできねーけど、翼ならできんだよ」
翼にしかできない……こと?
それをもしあの場で見ていたら……
私どうなっていただろう。ショックを受けていたのだろうか。
「それに翼は美羽のことが心配で遠くに行かせたんだと思う。翼の女が美羽だってこと相手側が知ったら色々とやべーしな」