「いいけど。見たくねぇもんまで見ることになっかもよ?」
「大丈夫っ!覚悟してるからっ」
本当はものすごくドキドキしていた。
でも、翼のこともっと知りたい。
どんなことをしているのか、この目で見ておきたい。
翼はフッと笑い、私の手を取った。
バイクで向かった先は、近くの海岸だった。
この辺は夕方になると人気もなくなる。
だからこの場所を選んだのかな……
ゾクッと一瞬背筋が凍った。
私、怖がってる……?
薄暗くなり、辺りが見えづらくなっていたけど、砂浜には数台のバイクが停まっていた。
芽衣子さんたちのバイクかな……
私達が海岸に着いたのと同時くらいに、Phoenixの子達も何台か来たっぽい。
「翼! あいつら見つかったんだって!?」
大輝のバイクがうちらの前に止まった。
「ああ。芽衣子が見つけたらしい」
「マジかよ、すげぇな……って! 美羽まで来たのか!?」
大輝は、バイクの後部座席に座っていた私を見て驚いていた。