翌朝、シホ先輩のアパートに帰ると陽菜が学校へ行く準備をしていた。

シホ先輩は、すでに仕事に行ってしまってて部屋には陽菜しかいなかった。


昨日のことがあったから、気まずい。

でも、ちゃんとわかってもらわなきゃ。


「陽菜、おはよ」


陽菜は座ってメイクをしていたけど、一度も私の方を見ようとはしない。


「今日……一緒に学校行かない? 私も今から用意するからっ」


「浅野さんと会ってきたんでしょ?」


「え?あ……なんでそれ」


「浅野さんの香水の匂いがするから」


ようやく陽菜が話してくれて、少しホッとした。


「彼氏ができたのによく浅野さんと会えるよね」


「うん、だからもう援助交際はやめようと思って話してきたんだけど……」


「私、美羽としばらく距離置きたいから。シホ先輩にも言ってあるけど、今夜から違う先輩の家に行くし」


「えっ陽菜、ちょっと待ってよ! 話があるんだけどっ」


「話? 私はなんもないから。裏切り者とはもう話したくないし」